豚肉の自給率


豚肉の食料自給率

食料自給率は、品目別にまとめられてもいます。多くのブランド豚が国内で生産、消費されている現在、その自給率はどれくらいなのか、また、国産豚の消費を増やすことはどの程度自給率に影響するのか、などを調べてみました。

豚肉の生産量と消費量

平成22年度確定値(2013年5月現在最新の確定値)の食料需給表を見ると

となっています。

国内消費量2416トンのうち、実際に食料として供給されたのは、1,492,000トンとなっています。これは、減耗量48,000トンを除いたものに、歩留まり率63%をかけたものです。

国民一人当たりでは、1年あたりの消費量が11.7kg、72.9kcalとなります。1日あたりの平均摂取熱量が2446.6kcalとされているので、およそカロリーの3%ほどを豚肉によって摂取していることになります。

豚肉の自給率

重量別自給率

22年度確定値の食料需給表を見ると、重量で言えば国内生産が輸入量を上回っています。豚肉の在庫率や歩留まり率が、すべて同じ程度であると過程すると、豚肉の重量ベース自給率は52.75%となります。FAOSTATをものに計算した2007年のものが48.06%なので、少し高くなってきているようです。

ここ数年の推移は以下のようになっています。

食料需給表

年度 国内生産量 輸入量 国内消費量 自給率
H14 1,246 1,101 2,350 53.02%
H15 1,274 1,145 2,406 52.95%
H16 1,263 1,267 2,492 50.68%
H17 1,242 1,298 2,494 49.80%
H18 1,249 1,100 2,383 52.41%
H19 1,246 1,126 2,392 52.09%
H20 1,260 1,126 2,392 52.68%
H21 1,318 1,034 2,381 55.35%

Food Balance Sheet(FAO)

年度 国内生産量 輸入量 国内消費量 自給率
2002 1,246 1,215 2,461 50.63%
2003 1,274 1,195 2,650 48.08%
2004 1,263 1,388 2,650 47.66%
2005 1,245 1,447 2,691 46.27%
2006 1,247 1,283 2,529 49.31%
2007 1,251 1,447 2,691 46.49%
2008 1,249 1,386 2,634 48.71%
2009 1,310 1,255 2,564 51.92%

(生産量、輸入量、消費量の単位は1,000t)

上の表にあるとおり、FAOのデータと、農林水産省のデータはぴったり一致しているわけではありません。おそらくは、加工肉製品の生鮮換算の仕方の違いなどによるものと考えられます。それでも、2009年では、両方のデータで国内生産量が輸入量を上回っています。

飼料自給率

国内で生産される豚肉と、海外から輸入される豚肉はほぼ同量程度ですが、カロリーベース自給率を計算するにあたっては、国内生産された豚肉が、どの国で生産された餌を食べて成長したのかが考慮されます。飼料自給率は、全体としては25〜26%なのですが、豚肉の飼料自給率は9.7%らしいです。この数値の根拠については今の所わかりませんが、豚肉の重量ベースの自給率が50%程度であるのに対して、飼料自給率を考慮すると6%くらいなのでそんなものだということになります。

カロリーベース自給率への影響

国産の豚肉を食べることは、どの程度カロリーベース自給率に影響するのでしょうか。最新の確定値で、豚肉の1日あたりの摂取カロリーが72.9kcal。そのうち国産分が52.75%なので、38.45kcalが国産豚、34.45kcalが輸入豚によって賄われています。38.45kcalの9.7%が自給されると、3.34kcalが自給されることになります。したがって、すべての輸入豚肉が国産で置き換えられたとすると、食料自給率は0.1%ほどたかくなることになります。ごくわずかであることがわかります。

食料自給率を向上させたいのであれば、飼料も国産で賄われている豚を選んで食べると良いかもしれません。

※自給率を農業政策を考える上での指標にするべきかどうかについては、ここでは考えていません。

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参考