食料自給率


食料自給率とは

国内の食料消費が、どの程度国内生産によって賄われているかを示す指標とされています。

食料自給率の種類

食料自給率には、3種類の計算法があります。何を基準として自給率を計るかによって、「重量ベース」「カロリーベース」「生産額ベース」と呼ばれています。よく用いられているのは、カロリーベース自給率です。平成21年度の場合、日本の食料自給率は、カロリーベースでは40%、生産額ベースでは70%です(概算値)。

重量ベース自給率

食料の重さによって計算される自給率です。農林水産省による品目別自給率の計算は、重量ベースによって行われていると思われます。

例)小麦の品目別自給率:農林水産省による試算:14%
国内供給量:6550000トン、生産量:910000トン・・・国内生産量の供給量に占める比率:13.89%

重量ベース自給率を品目ごとに計算しました。計算は、農林水産省と同じくFAOSTATにもとづいています。

カロリーベース自給率

食料に含まれるカロリーによって計算される自給率です。食料の、国内総供給カロリーと、国産供給カロリーによって、計算されますが、1965年から、飼料や原料の自給率を考慮して算出されています。

具体的には、例えば、植物油であればその原料となる植物が国内で生産されているかどうか、畜産や養殖であれば、育てるために必要なエサ(飼料)がどの程度国産でまかなわれているか(原料自給率)を考慮します。豚の場合を計算してみました。

品目別の自給率に、原料がある場合は原料自給率を掛け合わせたものが、品目別のカロリーベース自給率になります。それをまとめることでカロリーベース自給率を計算することができます。

生産額ベース自給率

価格を用いて計算した自給率です。野菜やくだものなど、カロリーは低いけれども重要な食料についての状況が反映されやすくなります。

食料需給表

食料自給率算出の基礎となるもので、FAOの作成手引きに準拠して作成されます。推計方法の一般原則が示されています。

大豆を輸入して、大豆油を国内で加工する(搾る)場合は、国内生産量に計上される、など、計算上の様々な原則があります。また、畜産品の場合、家畜が食べるエサがどの程度国内生産されているかを示す、飼料自給率が掛け合わされます。

食料需給表の作成にあたっては、農林水産省の調査値、推計値が用いられています。FAOSTATと重なるところと重ならないところがあります。

その他の指標との関連

平均摂取カロリー

 

カロリーベース自給率は、国内で供給された食品のエネルギー量において、国内で生産されたエネルギー量がどのくらいであるかを示しています。2005年度の場合は、一人当たり2472キロカロリーが供給されています。一方で、一人当たりがどのくらいのエネルギーを摂取しているのかは、厚生労働省によって公表されています。2005年度の場合では、1891キロカロリーで、供給された食品のすべてが摂取されているわけではないことがわかります。

流通したけれども摂取されなかった食品の国産/輸入の比率は、摂取された食品とほぼ同じでしょうから、自給率を考えるうえでは考慮しなくてもよいと思われます。ただし、国内で生産された食品についても75%程度が実際には摂取されていないため、流通や生活のやり方を変えることによって、自給率を向上させる余力はあると考えることもできるかもしれません。

参考