豚が家畜として飼育されはじめたのは、遅くとも紀元前8000年ごろまで遡ることができます。最初に豚が飼育されていたのは、中国および西南アジア地域でしたが、現在は世界のほぼ全域で養豚が行われています。日本では、弥生時代には豚が飼育されていたとされ、奈良時代には豚を飼育する「猪甘部(いかいべ)」という、豚の飼育に従事する人たちがいたようです。また、古代ローマの著述家のプルタルコスは『食卓歓談集』の中で、「ユダヤ人は最も食べるべき肉を食べない」と述べています。最近、最も食べるべき肉である豚に、色々な種類を見かけることが多くなりました。
品種とブランド豚
豚の品種
現在飼育されている豚のほとんどは、アジア系の品種とヨーロッパ系の品種との交配によってできた品種とされています。
現在日本で飼育されている豚の主な品種は、以下の6つです。
- ランドーレス種
- 大ヨークシャー種
- 中ヨークシャー種
- バークシャー種
- デュロック種
- ハンプシャー種
ハンプシャー種を除いた5品種を主要品種としている場合もあります。
ランドーレス種と大ヨークシャー種は主に加工用に、その他の品種は主に精肉用に飼育されています。それ以外にも、ヨーロッパや中国などに様々な品種の豚が飼育されています。また、現在では、それぞれの品種の特徴を利用した雑種が多く飼育されています。
ブランド豚
現在、「○○豚」という名前で提供、販売される豚肉が多くなりました。それらは、ブランド豚、または銘柄豚と呼ばれています。ブランド豚は、品種や餌、栽培方法や生産地など、色々な要素で規定されています。
豚肉の生産と消費
日本での養豚の歴史は、先述のとおり古く遡ることができますが、一般に養豚が行われるようになったのは、明治以降とされています。特に、明治以降の牛肉需要の急増に応えることが難しかった首都圏近郊で、牛肉の代替産品として養豚が盛んに行われるようになりました。その時代に多く飼育されていた品種が、近年、再評価されブランド化されている事例も多くあります。
日本国内で生産される豚肉と消費される豚肉、および輸出入の量は、農林水産省により、品目別自給率、食料需給表にまとめられています。輸入と国産の比率はほぼ半々。ですが、豚を飼育するための餌は9割が輸入によって賄われています。
養豚の雑誌
おおよその業界に専門誌があります。養豚も同様で、今のところ下記のものが発売されています。